石けんシャンプーとは？

石けんシャンプーとは？: 石けんシャンプーとは？; 石けんシャンプーQ&A

石けんシャンプーとは、石けん分が主体のシャンプーのことです。

商品の裏に表示されている成分表の初めのほうに、石けん素地（カリ石けん素地）、石けん分（純石けん分）、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、と表記されているのであれば、石けんシャンプーです。これらの主成分の他に、保湿剤や香料、金属封鎖剤（キレート剤）、酸化防止剤、保存料などの添加物が配合されている商品もあります。

石けんシャンプーで洗髪した後は、「酸性リンス」「石けんシャンプー用」と表記されている専用のリンスを使用することが基本です。これは“石けんシャンプー＆リンス” と“合成シャンプー＆リンス” の成分とその働きに大きな違いがあるからです。石けんシャンプー専用のリンスであれば、シャンプーとは違うメーカーのものでも大丈夫です。また、食酢やレモン汁、クエン酸でも代用できます。

石けんシャンプー専用リンスの成分にはクエン酸が含まれています。石けんで弱アルカリに傾いた髪を、弱酸性のリンスで中和することにより、キューティクルを引き締め、髪本来の状態にするのが目的です。

合成リンスの主成分は、陽イオン界面活性剤です。髪の表面に吸着して髪を柔らかくしたり、静電気の発生を防いだりする働きがあります。これが洗い流した後のふんわり、しっとり感の元になります。また、配合されたポリマー（シリコンなど）は髪をしっとりさせる、まとまりをよくするなどのコンディショニング効果がありますが、洗い流しても落ちにくい成分の為、これらの化学物質は髪に残留したり付着したりします。

※石けんシャンプーに慣れている方や、髪の短い方の中には、リンスをしない方もいます。

シャンプーの種類と特徴

: 普通～脂性のタイプ向き
: 強い
: 弱い
: 石ケン素地・カリ石ケン素地・脂肪酸Na・脂肪酸K など

洗浄成分が石けん主体のシャンプーです。
肌にやさしく、スッキリした洗い上がりになります。皮膚残留しても問題ありません。アルカリ性のために、髪の毛がきしむことがあり、他のシャンプーよりすすぎの時間を長く取る必要があります。また、酸性リンスを使用する必要があります。

: 普通のタイプ向き
: 弱い
: 弱い
: ココイル～・コカミド～・ココアン～・ラウロイルメチルアラニンNa など

洗浄成分に、アミノ酸系の成分を使用しているシャンプーです。
アミノ酸系界面活性剤は、高級アルコール系などに比べると非常に低刺激であることがわかっています。ただし、洗浄力が弱い分、ヘアスタイリング剤でセットされた髪や脂性の方は、アミノ酸系シャンプーだけの使用では十分洗浄が出来ない可能性があります。

: 普通～脂性のタイプ向き
: 普通～強い
: 強い
: ラウリル硫酸～・ラウレス硫酸～など

一般的な市販のシャンプーとして、安価に販売されているものの多くが、この高級アルコール系シャンプーです。
洗浄成分に、石油を原料にして（一部は植物油脂由来のものもあります）化学的に合成された界面活性剤を使用しています。洗浄力が強く、泡立ちや香りが良いため、使いやすく安価に販売されていますが、洗浄力が強い分、必要な皮脂まで取り去り、頭皮がカサカサになったり、フケが増えたり、皮脂の過剰分泌の原因になることがあります。

※高級とは「炭素数が多い」という意味です。炭素の数で、低級- 中級- 高級とランク付けされます。炭素は自然の中にある元素で、多いものほど泡立ち、洗浄力も良くなります。

石けんシャンプーのコツ

汚れや皮脂がきちんと洗いきれずに頭皮に残っていたり、石けんカスが髪に残っていたりすると、ゴワゴワ・ベタベタした洗い上がりになります。そのため、石けんシャンプーには、上手に洗ってすすぐためのコツがいくつかあります。

洗う前にブラッシングして、髪のもつれをほぐしておきましょう。ブラッシングで髪や地肌の汚れが浮き上がり、ホコリもとれます。
ホコリなどの汚れは、お湯洗いだけでも落ちます。
また、良く濡らしておかないと、髪に石けんがな
じみません。
髪の毛全体がしっかりと泡に包まれる量の石けんを使いましょう。「泡立たない＝石けんが足りていない」と考えてください。髪に石けんを足すとき、石けんだけを足し続けると泡が硬くなって根元にまで行き渡らなかったり、すすぎにくくなったりするため、適度にお湯を足しながら、柔らかい泡を作るようにします。
初心者には泡立ちの良い、液体のものがおすすめです。泡ポンプ式のものはシャンプー濃度が低いため、髪にたっぷり泡があるように、十分な量のシャンプー剤を使いましょう。
石けんシャンプーは、「頭皮」がしっかりぶくぶくした泡で洗えているかどうかが最重要ポイントです。また、よく泡立てて使うことで、髪の傷みを防ぎます。初めてのときには、とても泡立ちが悪いことがありますが、これは、合成のシャンプーやリンス、整髪料などに含まれる成分が髪や頭皮に残っているせいです。地肌付近が泡立つまで、しっかり洗いましょう。
固形石けんを使う場合は石けんがムラ無くつくよう、何箇所かに分けてつけるとよいでしょう。よく泡立っていると、すすぎもスムーズにできます。
リンスの前に、石けん分をしっかり洗い流しておきます。石けん分のすすぎ残りがあると、あとでくしに白いカスがついたりします。目の粗いくしで髪を梳かすように洗い流すと効果的です。
酸性リンスは石けんの弱アルカリ性を中和するためのものなので、長い時間つけておく必要はありません。むしろ長くつけすぎないほうが良いでしょう。

石けんシャンプーの使い方

ブラッシングした後、お湯で予洗い。髪だけでなく頭皮までしっかり濡らします。
よく泡立てて頭皮をマッサージするように洗います。髪を洗うのではなく頭皮を中心に洗いましょう。泡で出てくるタイプの石けんシャンプーは、見た目のボリュームより実際の量が少ないので、しっかり泡立つまで量を使ってください。髪はこすり合わせると痛んでしまうので、泡で包み込むように洗いましょう。
汗をかいたり、整髪料をつけたときは泡が消える事がありますが、泡立ちが少ない時は、石けんかお湯を足して調整したり、二度洗いしましょう。お湯も加えて泡立てていくのがポイントです。
洗い流すときにきしむ場合は、シャンプーブラシを使うとスムーズです。リンスはそのまま手に取って髪につけるか、洗面器にリンスを入れ、お湯を3 分の1 から半分ほど足し、その中に頭を入れ髪を泳がせます。
髪の乾燥が気になる方は、リンスの後にコンディショナーを使ったり、洗面器いっぱいのお湯に蜂蜜・オイルなどを数滴垂らしたものをかぶるとしっとりします。オイルは直接つけてもOK です。